Aston Martin DB11 Volante ブレーキ鳴き修理 | アストンマーティン・ポルシェ・外車・輸入車販売・車検・整備・点 検・修理・ASTONMARTIN・PORSCHE

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Aston Martin DB11 Volante ブレーキ鳴き修理

アストンマーティン DB11 Volante

ブレーキ鳴きが気になるので修理してほしいとご用命いただきました。

今回初めてご入庫いただきましたこちらのDB11、当店としては珍しいVolante (ヴォランテ)モデルです。
アストンマーティンDBシリーズのオープンモデルには、イタリア語で「飛ぶ」を意味する「Volante」の名が与えられます。

ご入庫後、試運転を実施。ブレーキ鳴きの症状を確認いたします。

DB11のブレーキはパッド、ディスクローターの材質の関係か非常に鳴きやすい傾向にあります。
こちらの車両は前後輪共にブレーキ鳴きの症状を確認、なおかつフロントよりもリアからの鳴きが強く聞こえました。

工場へ戻り車両をリフトアップ、ブレーキの状態を点検しつつ、鳴き止め対策を施します。

フロントブレーキパッド点検。
残量としては許容範囲です。

リアブレーキパッド点検。

フロントと比較し摩耗が進んでおります。
摩耗状態を詳しく確認するため、ブレーキパッドをキャリパーから取り外します。

リアブレーキパッドの摺動面を確認しますと、赤丸部分に金属露出が見受けられます。

   

ブレーキパッドはドライバーがブレーキをかけたときに、ディスクローターに押し付けられて制動をかける役割を果たす「摩材(写真 黄色)」と、その摩材をブレーキキャリパーに安定して取り付けられるようにするための「ベースプレート(写真 緑色)」の二つの素材で構成されており、一般的に摩材とベースプレートは強力な接着剤で貼り付けられています。

アストンマーティンのブレーキパッドは摩材とベースプレートが接着剤でなく、真鍮製のピンで締結されています。

真鍮製のピンはブレーキパッドが摩耗するにつれてブレーキ摺動面へ露出(写真 赤丸部分)してしまい、ディスクローターに接触、線傷を入れてしまいます。

可能な限りディスクローターにダメージを与えないように比較的柔らかい金属である真鍮製ピンを採用しているようですが、ピンが露出するということは当然、異金属同士が接触することになります。

ご入庫直後の試運転時にはリア側からのブレーキ鳴きが強く聞こえました。

ブレーキ分解、ブレーキパッドを点検した結果、リアブレーキパッドは真鍮製ピンが露出していました。

あくまでも推測の域を出ませんが、異金属同士が接触することにより、ブレーキ鳴きを助長しているのでは?とも考えられます。

お客様へブレーキの状態をご案内、今回は

・フロントブレーキパッドは現車付き部品を鳴き止め施工
・リアブレーキパッドは摩耗の為、新品へ交換

とさせていただきました。

リアブレーキパッド交換、新旧比較。
写真左側の部品は当店が取り扱うアストンマーティン用オリジナルブレーキパッドです。

純正品と比較してリーズナブルに、かつ低ダスト、ブレーキタッチも違和感の無い仕上がりとなっております。

当店オリジナルのアストンマーティン用ブレーキパッドが適合する代表車種は

V8 Vantage/DB9/DB11/Rapide となります。

部品在庫もございますので、部品取り寄せのお時間を頂戴することなくクイックな作業が可能です。
ブレーキパッド交換をご検討されているお客様はお気軽に当店へお問い合わせくださいませ。

※モデル、年式により当店オリジナルブレーキパッドが適合しない場合もございます。

ブレーキキャリパー組み付け前にできる限りの鳴き止め対策を施します。

ブレーキパッドをキャリパーに取り付けるガイドピン及びハードウェア。

超音波洗浄機を使用し、こびりついたブレーキダストを除去します。

当店では可能な限り、整備作業に付随する部分は清掃をさせていただきます。

然るべき箇所へブレーキグリスを塗布し、ブレーキパッドを組付けていきます。

ブレーキダストで汚れてしまったホイール内側も清掃。

ダストを拭き取ると、バランスウエイトを剥がした跡が残っていました。
ホイールの内側と外側に一か所ずつ、しかも4本全てのホイールにです。

これではせっかくのアストンマーティンのホイールの美しさが台無しになってしまいます。

全てのホイールに残っていたバランスウエイトを剝がした跡を除去。
スーパーカーのホイールは美しくなければなりません。

鳴き止め施工後に試運転を実施、ブレーキ鳴きは無事に解消。
工場へ戻り最終チェックを実施、問題がないことを確認し作業完了とさせていただきました。

DB11はブログ冒頭にも申し上げましたが、パッド、ディスクローターの材質の関係か非常に鳴きやすい傾向にあります。

全ての個体に今回と同様の鳴き止め対策を施工しても完全に鳴きが収まらない場合もございますが、ある程度は改善することが可能かと考えます。

DB11に限らず、アストンマーティンのブレーキ鳴きにお悩みのオーナー様は、お気軽に当店へお問い合わせくださいませ。

この度は当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございました。

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