Ferrari F355 F1 GTS 車検整備
フェラーリ F355
ピニンファリーナが手掛けたスタイリングは、先代モデルにあたる348の直線的なデザインを受け継ぎながら、より滑らかな曲面と洗練されたプロポーションへと昇華。
そのエレガントな佇まいは、1994年のジュネーブモーターショーでの華々しいデビュー以来、時代を超えて多くの人々を魅了し続けています。

今回は車検整備、並びに更新をご用命いただき、ご入庫の運びとなりました。

ご入庫後は車両各部の状態を確認するためにロードテストを実施。
ロードテスト中の信号待ち時にアイドリング回転数のバラつきを確認しました。
ロードテスト後は車両を整備ブースへ移動、法定点検項目に沿って受入検査を実施します。

車両に外部診断機を接続、各種情報を読み取ります。
当車両は後期型の「XRシャーシ」と通称されるモデルです。
前期/中期モデルにはBosch製「Motronic2.7」と呼称されるエンジンマネージメントシステムが搭載されています。
対して後期モデルには「Motronic5.2」と呼称されるマネージメントシステムが搭載されており、OBD(On-Board Diagnostics)に対応。外部診断機で各種故障コードを読み取れるようになりました。
メータークラスター上でエンジンチェックランプは点灯していませんでしたが、エンジンのノッキングを検知するためのセンサー「ノックセンサー」異常のコードが入力されていました。
ロードテスト中に感じ取れたアイドリング回転数のバラつきはこれが原因の可能性が高いと考えます。

車両をリフトアップし、下まわりを検査します。
フロア全体をアンダーカバーで覆う「フルボディ・アンダートレイ」を始めて採用したフェラーリがF355になります。

F355はリアディフューザーをはじめとするアンダーボディの空力設計が徹底され、当時のフェラーリとしては異例とも言えるCd値0.33を実現。
美しいスタイリングの裏側で空力設計が徹底され、現代フェラーリへと続く空力思想の出発点とも言えるモデルでもあります。

アンダートレイ、及びフェンダーライナーを取り外します。



F1マチック制御用のバルブボディはフルード漏れ、滲みも見受けられず良好な状態です。

エンジンヘッドカバーガスケット、及びエンジン各部からの油脂類漏れ、滲みも見受けられず状態良好。

F355のウィークポイントとも言えるドライブシャフトブーツ。
インナーブーツ周辺には遮熱板が取り付けられていますが、効果は微々たるもの。
エンジンから発せられる熱でブーツが損傷していることが多々見受けられます。
ブーツが損傷すると内部のグリスが流れ出てしまい、最悪の場合ドライブシャフトが破損してしまいます。
不具合は早期に発見し、対処すれば車両へのダメージも最小限に抑えられます。
そのためにも年に1度は整備工場へご入庫いただき、法定点検をお受けいただくことをおすすめさせていただきます。

インナー側、及びアウター側共にドライブシャフトブーツの損傷は見受けられず、良好な状態をキープしていました。


前後ブレーキ点検。
パッド、及びディスクローターに摩耗は見受けられず状態は良好です。

ブレーキフルード点検。
大幅な劣化は見受けられませんでしたが、今回は車検整備ですので定期交換をおすすめさせていただきます。

エアクリーナーエレメント点検。
劣化は見受けられませんでしたので今回はエレメント清掃にて様子見とさせていただきます。

バッテリー点検。
F355のバッテリーは右フロントタイヤ、及びフェンダーライナーを取り外さなければアクセスできません。
バッテリー上がりを未然に防ぎ、快適にお乗りいただくためにも、定期的な点検・交換をおすすめさせていただきます。

従来のバッテリーテスターは、バッテリーの状態を点検する際に強い負荷をかけてしまいます。
当店はバッテリーに負荷をかけることなく状態を点検することが可能なMIDTRONICS(ミドトロニクス)社のテスターを採用しております。
バッテリーの表面上の状態しか点検できないテスターとは違い、バッテリー内部の状態、健全性等の深部まで点検した結果がわかります。
日頃より安心してお車をお乗りいただくためにも、確実な点検結果をご提供できるよう適切な機材を取り揃えております。
バッテリー点検結果は良好、今回は充電にて様子見とさせていただきます。
車両各部の点検結果をもとに作成したお見積りをお客様へご案内し、車検整備の方向性をヒアリング。
整備内容をご指示いただきました後に、整備作業着工とさせていただきました。


リムの一部が損傷したホイール。
今回の整備と併せてリペアをご用命いただきました。

タイヤホイールをタイヤチェンジャーへセット。
タイヤとホイールを分離します。


分離後、ホイールリペア作業にあたります。
仕上がりまでに時間を要しますので、車両の各種整備作業を進めます。

故障コードが入力されていた原因のノックセンサー交換作業にあたります。
F355のノックセンサーはエンジンVバンク間、ヒートエクスチェンジャーの下側に2個取付けられています。
赤丸部分の冷却水エキスパンションタンクを取り外し、Vバンク間へアクセス。

ノックセンサーは故障すると車両の点火制御に悪影響を与えます。
また今回のように「故障コードは入力されるがエンジンチェックランプは点灯しない」といった、車両側がドライバーへ異常を知らせないケースもございます。
F355のように電子制御が導入され始めた過渡期に生産された車両は、整備士の知識と経験に基づく診断が重要と考えます。

ノックセンサー交換後は故障コードも入力されず、正常な状態になりました。

次にエンジンオイルを交換します。
F355のエンジンオイル潤滑方式はドライサンプ式のため、エンジンオイルドレンが2か所存在します。

エンジン側、サンプタンク側からエンジンオイルを排出します。

併せてエンジンオイルエレメントも交換。

エンジンオイル新旧比較。
年間の走行距離が浅くとも、1年毎のエンジンオイル、及びオイルエレメント交換をおすすめさせていただきます。

新しく注入するエンジンオイルはWAKO’S 「Euro Touring」をチョイス。
F355の要求する性能を満たしている全化学合成エンジンオイルです。

ブレーキフルード交換。

ブレーキフルード新旧比較。
ブレーキフルードはブレーキペダルの踏力を各ブレーキキャリパーへ伝達する重要な役割を担う部品です。
劣化が進行するとブレーキペダルタッチや、制動能力の悪化に繋がりますので、定期的な交換をおすすめさせていただきます。

現車付きのタイヤは経年劣化が見受けられましたので、新品に交換いたします。
今回組付けるタイヤは「MICHELIN PILOT SPORT 4S」 をチョイス。
PILOT SPORT 4Sは高いグリップ性能と優れた安定性を両立したウルトラハイパフォーマンスタイヤです。
デュアルコンパウンド構造によってドライ・ウェットともに高い性能を発揮し、車両のポテンシャルを最大限引き出しながら日常域での快適性も確保。
多くのハイパフォーマンスモデルに純正採用されていることからも、その完成度の高さがうかがえます。

タイヤホイールをタイヤチェンジャーへセット。
タイヤをホイールから分離します。



タイヤ交換と併せてエアバルブも同時に交換。
指先程度のサイズと小さいですが、タイヤ内部の空気圧を保持する重要な部品です。

輸入車のホイールにはタイヤ空気圧を監視する「TPMS(Tire Pressure Monitoring System)センサー」が取り付けられているケースが多く、タイヤ交換時に破損のリスクもございます。
できる限りリスクを排除するべく、当店は高性能タイヤチェンジャーを導入しております。
タイヤ交換をご検討の際は、当店へお任せくださいませ。


ホイールリペアも完了、美しく仕上がりました。
F355はマグネシウムホイールを純正採用しています。そのためアルミホイールリペアと比較し高度な技術を要します。
当店ではアルミホイールをはじめ、マグネシウムホイールのように特殊な材質で製作されたホイールリペアも可能です。
こちらも同タイミングで新品タイヤを組付けます。

ホイール裏側に貼り付けられているバランスウエイト。
タイヤ交換時にはホイールバランス調整も実施しますので剥がします。

ウエイトを剥がしてホイールに残ってしまった粘着テープ部分も徹底的に除去します。

ホイール及びバランスウエイト張り付け部分清掃後。
当店では作業に付随する部分は可能な限り清掃をさせていただきます。

ホイールを取り外さなければ手が届かず、汚れが堆積してしまう箇所というのはどうしても発生してしまいます。

当店はホイール超音波洗浄機を導入しておりますので、ホイールの隅々まで徹底的に洗浄することが可能です。

専用の洗浄液でホイールを洗浄します。

超音波洗浄後はホイールを純水ですすぎ、残った洗浄液を洗い流します。

隅々まで綺麗に仕上がりました。

この状態を維持するためにホイールコーティングを施工します。
ブレーキダストがホイールに付着したままにしておくとダストが固着、洗車をしても落ちなくなってしまいます。

コーティングを施工することによりホイールへのダスト固着を防止、また付着したダストは洗車時に簡単に洗い流せるといったメリットがございます。

コーティングは妥協せず裏面まで徹底的に。

コーティング施工後は然るべき時間を置いて乾燥、被膜硬化させます。


表面は当然ながら、裏面も光沢のある仕上がりになりました。
ホイールが綺麗な車両は一段と美しく目に映るものです。
「オシャレは足元から」
これは自動車にも言えることではないでしょうか。


4輪ホイールバランス調整後、車両へ取付けます。

法定点検の際はブレーキやショックアブソーバー、サスペンションアーム等の足まわり部品に緩みがないか、工具を用いて点検いたします。


オーナー様に安心してお乗りいただけるよう、各部をしっかり点検させていただきます。

エアコンガスメンテナンスを実施。
F355はエアコンガスチャージバルブにアクセスするにはフロントフードトリムを取り外す必要がございます。

エアコンガス添加剤も併せて添加、エアコンシステム性能、及び内部保護性能向上を図ります。
定期的なエアコンガスのメンテナンスはエアコンの効きを最適化するだけでなく、システムの負担を減らし部品の故障リスクを低減する効果もございます。
エアコン関連は故障すると修理費用が高額になる傾向にありますので、予防整備として当店では定期的なエアコンガスメンテナンスをおすすめさせていただいております。
エアコンガスメンテナンスのみのご入庫も承りますので、当店へお気軽にお問い合わせくださいませ。


ワイパーラバーを交換。
ワイパーの拭き取り性能低下は雨天時の視界不良に繋がりますので、定期的な交換をおすすめさせていただきます。

キー電池、及び発煙筒を交換。

ヘッドライト光軸調整後、継続検査。
無事に車検更新が完了いたしました。

F355
当時、品質や完成度の面で厳しい評価を受けていたフェラーリにとって、このモデルはブランドの評価を大きく押し上げた重要な一台でもありました。
V8 3.5L 5バルブエンジン、洗練されたシャーシ、そしてピニンファリーナによる美しいデザイン。
それらすべてが高い次元で融合したF355は、多くの評論家から称賛され、フェラーリの名声を再び確かなものとしました。







法定点検、車検にてご入庫いただいた際は整備作業完了後に洗車をさせていただきます。
当店は純水器を導入しておりますので、デリケートなボディを痛める心配はございません。

整備作業後のロードテストではアイドリング回転数のバラつきも改善、滑らかなエンジンフィールになりました。
作業完了後に最終チェックを実施し車両全体に問題がないことを確認、整備完了とさせていただきました。
今日に至るまで時代を超えて多くの人々を魅了し続ける、1990年代フェラーリの象徴とも言えるF355
あの頃と変わらぬ官能的なエキゾーストサウンドを奏でられるよう、これからも我々が最善の整備をさせていただきます。
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございました。
Valuence AUTOMOTIVE YOKOHAMA
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