Aston Martin V12 Vantage S Roadster 車検整備 | アストンマーティン・ポルシェ・外車・輸入車販売・車検・整備・点 検・修理・ASTONMARTIN・PORSCHE

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Aston Martin V12 Vantage S Roadster 車検整備

アストンマーティン V12 Vantage S Roadster 車検整備にてご入庫いただきました。
パステルブルーのボディカラーが目を引く個体です。

アストンマーティンはVantageシリーズには「Roadster」(ロードスター)、DBシリーズには「Volante」(ヴォランテ)の名が与えられます。
「Roadster」 直訳すると「道を行く者」、19世紀のアメリカで旅行に適した軽量な馬車を表すために使用したことが語源のようです。

なお「Volante」(ヴォランテ)の意味については下記の当店ブログ記事をご参照くださいませ。

Aston Martin DB11 Volante ブレーキ鳴き修理

ご入庫後は車両を整備エリアへ移動させ、法定点検項目に沿って各部を点検していきます。

純正診断機 AMDSを車両に接続し、各種故障コードを読み込んでいきます。
純正診断機を用いて然るべき情報を読み取り、車両の状況が把握できることが当店の強みです。

続いてバッテリーを点検。
従来のバッテリーテスターは、バッテリーの状態を点検する際に強い負荷をかけてしまいます。

当店はバッテリーに負荷をかけることなく状態を点検することが可能なMIDTRONICS(ミドトロニクス)社のテスターを採用しております。
バッテリーの表面上の状態しか点検できないテスターとは違い、バッテリー内部の状態、健全性等の深部まで点検した結果がわかります。

日頃より安心してお車をお乗りいただくためにも、確実な点検結果をご提供できるよう適切な機材を取り揃えております。

点検結果は概ね良好、バッテリーは交換ではなく充電にて様子見とさせていただきます。

続いてブレーキまわり点検。
V12 Vantage Sにはカーボンブレーキが搭載されており、その特性上ブレーキパッドの摩耗量は非常に少ないです。

こちらの車両も例に漏れず、前後ブレーキ共に残量は十分です。

タイヤ点検、経年劣化もなく残溝も問題ございません。

エアクリーナエレメント点検。
アストンマーティンはV8/V12エンジン共に車両をリフトアップしフロントタイヤを外さなければ点検することができません。

状態は良好、問題ございません。

ブレーキフルードの劣化状態を点検いたします。
劣化は進んでおりませんが、今回は車検整備ですので定期交換をおすすめさせていただきます。

インテークマニホールドに繋がっている負圧チューブ。

アクセルを踏み込み車両が加速をする際、必要となるエンジン吸入空気量が増加します。
急激に吸入空気量が増加した際にエンジンへの空気供給が間に合わなくなり、アクセルレスポンスに影響を及ぼす場合がございます。
そのため加速時は通常の空気供給ルートに加え、エアクリーナーBOXのバイパスルートを通じて吸入空気量不足を防止する機構が設けられています。

バイパスルートのバルブはインテークマニホールドの負圧を利用し開閉動作を制御しており、その負圧取り出し箇所が上記写真部分です。
この負圧チューブはエンジンからインテークマニホールドに吹き返してきたエンジンオイルの影響で劣化、膨潤してしまいます。

劣化が進行するとチューブの差し込みが甘くなり、隙間から二次空気を吸い込んでしまいエンジン不調やエンジンチェックランプ点灯の原因となってしまいます。
この車両の負圧チューブにも劣化が見受けられましたので、交換をおすすめさせていただきました。

車両各部の点検結果をもとに作成したお見積りをお客様へご案内し、車検整備の方向性をヒアリング。
整備内容をご指示いただきました後に、整備作業着工とさせていただきました。

まずはエンジンオイル交換前にエンジン内部フラッシングを施工いたします。

当店ではWURTH(ウルト)社のフラッシング剤を採用しております。
交換前のエンジンオイルに添加しアイドリングさせることでエンジン内部を洗浄します。

フラッシング施工後はオイルドレンよりエンジンオイルを排出。
エンジンオイル及びオイルフィルターエレメントを交換いたします。

アストンマーティンのエンジンオイルドレンボルトはシールパッキンと一体になっているため、オイル交換時はドレンボルトも同時交換になります。

またエンジン内部機構保護のためにも、エンジンオイル交換の際はオイルフィルターエレメントの同時交換をおすすめさせていただきます。

当店はアストンマーティン用のオイルドレンボルト、オイルフィルターエレメント等の定番消耗品類をはじめ、ブレーキパッド等も常時在庫がございますので、部品待ちのお時間をいただくことなくクイックな整備作業が可能です。

エンジンオイルはWAKO’S 「Euro Touring 5w-40」をチョイス。
ASEA:C3規格ですので、V12 Vantage Sに要求される規格に適合しております。

さらにエンジン内部保護性能を向上させるため、WAKO’S S-FV・S(スーパーフォアビークル シナジー)を添加。
エンジンにオイルを規定量注入していきます。

エンジンオイル新旧比較。
並べると違いは一目瞭然です。

エンジンオイルは年間の走行距離が浅くても劣化が進行してしまいます。
最低限、年に1度の交換をおすすめさせていただきます。

次にトランスアクスルオイルを交換いたします。

アストンマーティンのVantage系車両はトランスミッションとディファレンシャルが一体となっている変則機構「トランスアクスル」を採用しています。

オイルドレン、フィラーガスケットは新品に交換いたします。

トランスアクスルに注入する新品オイル。
このオイルにもアストンマーティン品番が割り振られており、れっきとした純正部品です。

パッケージの通りCastrol社製ですが、一般市場に流通しているものではございません。

トランスアクスルのフィラーから規定量を注入していきます。

トランスアクスルオイル新旧比較。
走行距離の浅い車両でしたが、経年により劣化が進んでいたようです。

トランスミッション、ディファレンシャル、トランスアクスル等の駆動関係オイルも定期的な交換をおすすめさせていただきます。

圧送交換機を車両に接続し、ブレーキフルード交換作業を進めます。

ブレーキフルード新旧比較。

ブレーキフルードはブレーキペダルの踏力を各ブレーキキャリパーへ伝達する重要な役割を担う部品です。
劣化が進行するとブレーキペダルタッチや、制動能力の悪化に繋がりますので、定期的な交換をおすすめさせていただきます。

経年劣化しているインテークマニホールド負圧チューブを交換いたします。

エアクリーナーBOX内部からインテークマニホールドまで伸びているチューブ複数本でエアバイパス開閉機構が構成されておりますので、全数のチューブを交換いたします。

インテークマニホールドに差し込まれる部分は膨潤し明らかにサイズが変わっておりました。
新品チューブを車両へ取付け、エアクリーナーまわりを復元していきます。

法定点検の際はブレーキやショックアブソーバー、サスペンションアーム等の足まわり部品に緩みがないか、工具を用いて点検いたします。

お客様に安心してお車にお乗りいただけるよう、各部をしっかり点検させていただきます。

各種油脂類の交換作業完了後はリフトから車両を移動させ、エアコンガスメンテナンスを実施。

エアコンガス添加剤も併せて添加、エアコンシステム性能、及び内部保護性能向上を図ります。

定期的なエアコンガスのメンテナンスはエアコンの効きを最適化するだけでなく、システムの負担を減らし部品の故障リスクを低減する効果もございます。

エアコン関連は故障すると修理費用が高額になる傾向にありますので、予防整備として当店では定期的なエアコンガスメンテナンスをおすすめさせていただいております。

エアコンガスメンテナンスのみのご入庫も承りますので、当店へお気軽にお問い合わせくださいませ。

車両コンディションを高水準で維持できるよう、冷却水添加剤及び燃料添加剤を添加。

当店ではWAKO’S、WURTHの各種添加剤を取り揃えております。

ご入庫いただいた際にはお客様のお車の状態にマッチした製品をご提案させていただきます。

ワイパー交換モードに移行し、ワイパーブレードを交換。

ワイパーの拭き取り性能低下は雨天時の視界不良に繋がりますので、定期的な交換をおすすめさせていただきます。

エアコンフィルターを交換。

エアコンフィルターは埃やごみを吸着しすぎると目詰まりしエアコン吹き出し口からの風量低下、また経年によりカビ臭の原因にもなります。
お車を快適にお乗りいただくためにも定期的な交換をおすすめさせていただきます。

有効期限切れのため発煙筒を交換。

リモコンキー電池交換。

ヘッドライト光軸調整後、継続検査。
無事に車検更新が完了いたしました。

全ての整備作業完了後にメンテナンスインターバルのリセットを実施。

走りを追求したシャーシにV12気筒の心臓を与えられたV12 Vantage S

まさに「ピュアスポーツ」を体現した一台でしょう。

作業完了後に最終チェックを実施し車両全体に問題がないことを確認、整備完了となりました。

この度は当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございました。

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