Mercedes Benz ミディアムクラスカブリオレ E320CE 法定12ヶ月点検整備
「最善か、無か。」
この一言ほど、メルセデスベンツというブランドの哲学を端的に表す言葉はないでしょう。
効率や妥協ではなく、常にその時代における最善を追い求める、そんな姿勢が結晶化したモデルのひとつが、ミディアムクラス、俗に言う「W124」です。

今回ご入庫いただきました車両は、その血統を受け継ぐ特別な一台。
セダンが「W124」と呼ばれるのに対し、本車両はカブリオレ専用ボディを持つ 「A124」です。
M104 と呼ばれる直列6気筒エンジンを搭載し、メルセデスが走り・快適性・耐久性のすべてにおいて頂点を目指していた時代の空気を色濃く残しています。
今回は法定12ヶ月点検、及びエンジン不調修理をご用命いただきご入庫の運びとなりました。

ご入庫後は車両を整備ブースへ移動、受入検査を実施いたします。
エンジンルーム内各部や足まわり等、法定点検項目に沿って点検を実施。
エンジンオイルや補器ベルト等、各部を点検いたします。

ブレーキフルード点検。
吸湿・劣化度合いに問題はございませんでした。

フロントブレーキ点検。
パッド残量やディスクローターの状態も良好です。

リアブレーキも同様、異常はございません。

エアコンの効きが悪いとのことでしたので、エアコンシステム各部点検。
エアコン動作、制御は問題ございませんでしたのでエアコンガス漏れの可能性が高いと判断。
カーエアコンシステム内部には冷気を作り出す冷媒(エアコンガス)以外に、内部を潤滑させるオイル、そしてガス漏れ箇所を容易に特定できるよう、紫外線に反応する蛍光剤が充填されています。

紫外線ライト用いてエアコンシステム部品各部を点検。
エアコンコンプレッサー本体、及びレシーバータンクからガス漏れが見受けられました。

続いてご用命いただいておりますエンジン不調の点検に移ります。
オーナー様いわく「1時間程度走行した後に車両がギクシャクとした挙動になった」とのこと。
オーナー様と症状発生時の状況等のヒアリングから得られた情報と、ご入庫後実施したロードテストの結果から電装系に不具合があるのではないかと推測。
車両の電装系に必要な電力を発電する「オルタネーター」の発電電圧を点検します。
14V程度の発電電圧が正常値ですが、当車両の測定値は12.5V、オルタネーター本体が正常に動作しておりませんでした。
正常な発電ができずに走行したことで電装系に必要な電力が行き渡らず、車両の挙動に異常をきたしたようです。
各部点検の結果をもとにお見積りを作成し、オーナー様へご案内。
整備内容にご了承をいただいた後、作業着工とさせていただきます。

エアコン関係から整備いたします。
ガス漏れが見受けられたエアコンコンプレッサー、及びレシーバータンクを交換。

ミディアムクラスは生産から30年以上経過したモデルですが世界的に根強い人気を誇るモデル故、新品部品の入手は比較的容易です。

予防整備としてエアコンガスチャージバルブを交換。

見落としがちな部品ですが、経年でガスチャージバルブからガス漏れのリスクもございます。
車両の状況により、エアコン修理の際に併せて交換をおすすめさせていただきます。

部品交換後はエアシステム内にガスを規定量充填していきます。
当車両の使用しているエアコンガスは「HFC-134a」
現在でも一般市場に多くの流通しているガスのため、メンテナンスも容易です。

併せてエアコンガス添加剤を添加。
エアコンシステム内部保護性能向上を図ります。

エアコン関係修理後はオルタネーターを交換します。
こちらもエアコン関係部品と同様、新品部品の入手ができました。

発電電圧が低い状態で稼働していましたのでバッテリーにも負担がかかっておりました。
万全を期すために、バッテリーも併せて交換させていただきました。

エアコン、電装関連部品交換後はファンベルト関連を復元。
ベルト関連部品も各部新品に交換させていただきます。

ベルトテンショナー、アイドラープーリーも併せて交換。
アイドラープーリーのベアリング部分からは異音が発生しておりました。
ベルトテンショナー、アイドラープーリー等のベアリングは経年劣化で内部のグリスが消耗し、異音の発生や最悪ベアリングの破損に繋がる場合もございます。
ベルト交換時にはベルトテンショナー、アイドラープーリーの同時交換をおすすめさせていただきます。

グリスやオイルで汚れたベルトテンショナーブラケット。
車両取付前に清掃します。

当店では整備作業に付随する部分は可能な限り清掃をさせていただきます。

パワーステアリングポンプのプーリーにはバランスを調整するウエイトが貼り付けられておりました。
メルセデスベンツの妥協を許さない、常に最善を追い求める姿勢を垣間見た瞬間でした。


ワイパーブレードを交換します。
「パノラマワイパー」と呼称される、見た目が特徴的なシングルワイパー構造。複雑なリンク機構を介し、ワイパー1本でフロントガラス全体の約86%をカバーします。
国産車ですとトヨタ ヴィッツがシングルワイパーですが、ミディアムクラスのそれとは似て非なる機構です。
このパノラマワイパーも当時のメルセデスベンツの高度な技術力を示す象徴と言えるでしょう。

ヘッドレストの電動昇降機構が効かないためシート背面を分解し内部を点検。
部品が一部外れておりましたので修理し取付け。修理後は問題なく動作するようになりました。

法定点検、並びに車検整備入庫いただきました車両は整備作業完了後に手洗い洗車をさせていただきます。

純水器を導入しておりますので、デリケートなボディを痛める心配はございません。

ご入庫中は適宜バッテリーを充電、また車両は全て屋内で保管させていただきます。
大切な愛車のメンテナンスは是非、当店へお任せくださいませ。

全ての整備作業完了後、車両各部の最終チェックを実施。異常がないことを確認し、ご納車とさせていただきました。
この度は当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
生産から30年以上経過してもなお色褪せることのないミディアムクラス。
「最善か、無か。」
今なお特別な存在であり続ける理由は、この言葉にすべてが詰まっています。
その哲学に敬意を払い、オーナー様の大切な一台がこれからも“最善”であり続けられるように。
我々ももまた、妥協のない仕事で向き合っていきます。
最善か、無か。
それがメルセデスベンツであり、私たちの姿勢です。
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