2026.11.02 | アストンマーティン・ポルシェ・外車・輸入車販売・車検・整備・点 検・修理・ASTONMARTIN・PORSCHE

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整備の四方山話~エンジンオイルについてVol.3 HTHS粘度~

↓前回の四方山話はこちら

整備の四方山話~エンジンオイルについてVol.2 ACEA規格~

エンジンオイルの性能を語るうえで、欠かすことのできない二つの指標があります。
それが「HTHS粘度」と「SAPS」です。

前回のコラムでもお話ししたACEA規格においても、これらはエンジンオイルの性能や用途を分類するための重要な要素となっています。

HTHS粘度とSAPS

あまり聞きなじみのないフレーズかと思います。
今回はこの2項目について深堀りしていきます。

~HTHS粘度とは?~

「High Temperature High Shear」の略称で、日本語では「高温高せん断粘度」と呼ばれています。

一般的なSAE粘度の説明では、100℃における動粘度がよく取り上げられます。
しかし、実際のエンジン内部では、オイルは単に高温にさらされるだけではありません。

例えばクランクシャフトのメインベアリングやコンロッドベアリング。
これらの摺動部では、回転する軸と軸受の間に形成された薄い油膜が、非常に大きな荷重を支えています。

このような部分では、オイルに強いせん断作用が加わります。

HTHS粘度とは、150℃という高温環境下で、高いせん断速度を与えた際のオイルの粘度を評価したものです。

簡単に言うと「高温高負荷でどれだけ油膜が切れないか」を表す数値です。

HTHS粘度が高いと得られるメリットは
・油膜が強い
・高負荷に強い
・長期間性能維持しやすい
・高速巡航や高温に強い

等、欧州車のロングライフオイルや高負荷用途では重要な性能が担保されると言えます。

逆にHTHS粘度が高すぎた場合、
・抵抗になる
・油温が上がる
・燃費悪化
・エンジンが重く感じる
等のデメリットが発生します。

HTHS粘度は高ければ高いほど良い訳ではなく、車両設計と使用環境に合っていることが重要と言えます。

※マメ知識
HTHS粘度の数値が2.6を下回ると摩耗量が増加することが判明しており、2.6以上がエンジン保護のひとつの基準と言えるでしょう。
なお、SAE 0w-20エンジンオイルのHTHS粘度が2.6程度とされています。

「0w-8」や「0w-16」のような昨今の超低燃費エンジンオイルを選ぶ際はエンジン保護・摩耗対策が考えられているかの判断が必要と考えます。

個人的には多少の燃費やエンジンレスポンスを犠牲にしてでも、然るべきHTHS粘度等の油膜保持性能を有したエンジンオイルを使用し、エンジン寿命を延ばすことを第一に考えるべきだと思います。

エンジンを壊してしまっては元も子もないですから…。

次回のコラムでは「SAPS」についてお話ししていきます。

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